お香

お香は、線香、香木、練り香、塗香、抹香、焼香、匂い香の7種に大きく分類されています。趣味で楽しむものと仏事用に使うものがあります。

【線香】
各種の香料とタブノキの皮を練りあわせて、細い棒状にしたものです。室内線香、仏事線香、香水線香など、目的によってさらに分類されます。

【香木】
沈香類、白檀などの原材を小さく割り、香炉の中に入れてたきます。香道では、沈香のなかでも上質のものしか使いません。

【練り香】
各種の香木や香料を粉末状に刻み、蜂蜜や梅肉、炭の粉を練り固めた丸薬状のものです。お茶席で、炉の中の灰のうえに置き温めて香りを出したり、香炉を使って香りを楽しみます。練り香の一種には、原料を練りあわせ、梅型や楓型にくりぬいた干菓子状の印香といわれるものもあります。

【塗香】
各種の香木や香料を粉末状にしてあわせたものです。体に塗って体臭を消し、身をきよめるために使われるお香です。現在でも仏式儀式の前には「きよめ香」としてこの粉末を体に塗ったり、大きく息を吸い込んで体内をきよめることが行われています。

【抹香】
塗香と同じく、各種の香木や香料を粉末状にしてあわせたもので、そのままで香りを放つようにした、とても細かい粉末です。また、長時間くゆらせておく香盤などにも用いられます。

【焼香】
香木や香料を細かく刻んで混ぜ合わせたもので、霊前でたくお香です。用いる香木や香料により五種香、七種香、十種香などがあります。

【匂い香】
白檀、竜脳、薬草などの香料を細かく刻んで混ぜ合わせ、火を使わない状態で香りが発散するように配合されたものです。袋に入れて、タンスに入れたり、車の中で香りのアクセサリーとして使ったりします。

《歴史》

線香の歴史は古く、竹を軸にしてつくった竹芯香がはじまりですが、釈尊が誕生する以前から、インドでは時をはかる道具(現在の時計)として使われていました。
仏教が起こり、釈尊の入寂後に霊前にお香が用いられるようになり、線香の使いやすさ、便利さから次第に仏教の世界で使われるようになったのです。
現在、一般的に線香と呼んでいるものをつくる技術は比較的歴史が新しく、日本に伝来したのは400年ほど前の天正年間です。
朝鮮から帰化した人が長崎でつくりはじめたという説と、中国福建省福州から五島一貫(帰化人ともいわれる)が堺に技術を伝え、当時の都であった京都に定着したという説があります。

《楽しみ方》
香りは好みで選ぶもので、値段が高ければよいお香というものではありません。
直接火をつけるお香は、点火する前と後では香りが微妙に変化します。香りの判定には、点火したお香を鼻先で2~3回通過させて試します。お香は、燃えているところから1mmほど下の部分が熱せられてよい香りを放つしくみになっているので、鼻の前で止めて煙まで一緒に吸い込んでしまうと、せっかくの微妙な香りの違いがわからなくなってしまいます。
またお香は本来、残り香を楽しむものです。嗅覚が同じ香りに馴れて鈍感になってくるので、数種類の香りを選んでおき、ときどき替えることが、好みの香りを楽しむコツです。
コーン型…身近な灰皿や小皿を使って手軽に楽しめます。小皿の上には専用の香立てを乗せます。短時間で強く香りが広がるので、リビングなど広いスペースに最適。燃焼は約5~10分。
スティック型…香炉や香皿に立てて使います。小さな香立てには、香皿(受け皿)を敷きます。長いスティックのお香は半分に折るとよいです。香りは均一に広がるので狭いスペースに。燃焼は約7cmで10~15分ほど。
渦巻き型…香炉や専用の香皿にのせて使います。かやりや灰の上にのせると最後まで燃えやすくなります。広いスペースや流れの多い玄関に最適。燃焼は大きさによってですが約1時間~2時間。